平成生まれのためのサザンオールスターズ論 その1-B楽曲編『熱い胸騒ぎ』~『NUDE MAN』
前回の続きです
前回の記事で歴史的背景の説明だけで異常な長さになってしまったので、別記事にしまして、今回はやっとアルバムの紹介をしたいと思います。1枚1枚しっかりレビューしてたらえらいことになるので、おすすめ曲とともにサクサク行きたいと思います。
この時期の曲は今から30年前の曲であり、正直「昔の曲だな」という感じを抱くかもしれません。ただそれは演奏自体が、というよりも音圧だったり、楽器などの音量のバランスなどの問題だと思います。そういう意味では2008年にリマスタリングアルバム(音圧などを調整したもの)が出ているので、レンタルするときはケースが新しめの物を借りるとその辺は改善されると思います。
・1stアルバム『熱い胸騒ぎ』
- アーティスト: サザンオールスターズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2008/12/03
- メディア: CD
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歴史的なデビュー作。デビュー作とは思えないほどの音楽性の広さと、ほとんどがデビュー前に作られた曲ということが信じられないクオリティ。サンバ、ボサノバ、レゲエ、ブギ、ロックと様々なジャンルの音楽をすべてサザンとして味付けしている、というサザンの楽曲の最も大きな特徴がこの時点で完成しているという点でもサザンのルーツを知る意味では完璧なアルバム。エロ曲としては、その後もライブでしばしば演奏されている「女呼んでブギ」が収録されている。歌詞はフェミニストが卒倒しそうなものだが、桑田のエロ曲に特有の「小学生、中学生レベルのしょうもない下ネタ歌詞」はこの時点で健在。ちなみに「いとしのエリー」発表前のアルバムであるが、このアルバムを聴いたらコミックバンドとは到底思えなかっただろうと思うのだが。
※個人的おすすめ曲 #4恋はお熱く #7女呼んでブギ
・2ndアルバム『10ナンバーズ・からっと』
- アーティスト: サザンオールスターズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2008/12/03
- メディア: CD
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「勝手に~」でのヒットからのテレビ出演などで忙しい時期に作られており、桑田本人は出来に満足はいっていないらしい。確かに1stから大きな変化などは見られないが、それでも曲単位では名曲が揃っている。特に今聴く、という意味ではバラード曲の方が音圧などが気にならず、ナチュラルに楽しめるのではないか。「ラチエン通りのシスター」は個人的にはサザンバラード内で屈指の名曲だと思っている。
※個人的おすすめ曲 #3ラチエン通りのシスター #4思い過ごしも恋のうち
・3rdアルバム『タイニイ・バブルス』
- アーティスト: サザンオールスターズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2008/12/03
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意図的にテレビ出演を抑え、レコーディングに専念しながら制作したアルバム。このころから演奏に厚さが出てきて、バンドとして成熟している様子が分かる。原由子とドラムの松田弘の初ボーカル曲も収録されている。このアルバムの中に1、2曲メインボーカル以外のボーカル曲が入る、という形式はその後様々なバンドでしばしばみられる現象であり、そのはしりとも言えるのではないか。シングルの売り上げはそれほどではないけど、アルバムは売れる、というのがサザン初期の特徴なのだが、それの典型的な作品。理由としてはあまりにも毎回異なるジャンルの曲を出して、一見ライトファンの期待を裏切るように見えながらも、最終的にアルバムの形になるとやっぱサザンだわ、って思われるからではないだろうか。
※個人的おすすめ曲 #9C調言葉に御用心 #11働けロック・バンド (Workin' for T.V.)
・4thアルバム『ステレオ太陽族』
- アーティスト: サザンオールスターズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2008/12/03
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サザンに影響を与えたミュージシャンとしてこの八木正生と90年代の小林武史が挙げられる。このアルバムでは八木が制作にかなり関わっており、そのためジャズ要素の強いアルバムになっている。当時そこまでジャズが世の中で受け入れられていたのかは分からないけども、それでもこのアルバムが6週連続オリコン1位になるあたりは、どんな音楽もサザンとして消化、昇華している証拠といえるのでは。
※個人的おすすめ曲 #2MY FOREPLAY MUSIC #13栞のテーマ
・5thアルバム『NUDE MAN』
- アーティスト: サザンオールスターズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2008/12/03
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衝撃的なジャケット写真。「チャコの海岸物語」がシングルとして久々のヒットとなった後に発売されたアルバムだが、肝心の「チャコ~」は収録されていない。これもサザンあるあるであり、他にもみんなのうたもエロティカセブンもマンPもアルバムには収録されていない。「匂艶(にじいろ) THE NIGHT CLUB」での豪華なホーンのアレンジなどはその後のいわゆる「サザン的」な曲調といえる。アルバム曲ながらも絶大な人気を誇る「Oh!クラウディア」や研ナオコがカバーしヒットした「夏をあきらめて」など名曲ぞろいのアルバムである。
※個人的おすすめ曲 #5匂艶(にじいろ) THE NIGHT CLUB #8Oh!クラウディア
アルバムが全部で14枚出ているのでこれで3分の1ですね。長い道のりで既になんでこんなこと始めたのだろうと不安になってきましたが、とりあえず頑張って続けたいと思います。 ちなみに、調べてて気づいたんですが、Youtubeに全然サザンの音源がなくて紹介できないのがつらい。事務所の人は是非公式でフル音源をせめてヒット曲だけでもあげるべきだと思います。今の若い世代に改めてサザンを知ってもらうためにはそれが一番手っ取り早いと思うのですが。
ということでこのくらいしかないので紹介を。
これを聴きながら、興味をもった曲が入ってるアルバムをまずは聴いてみたらいいのではないでしょうか。 では、また次回。